予防接種イメージ01

様々なウイルスや細菌による感染症への感染、あるいは感染しても重症化を抑制することを目指すのが予防接種です。感染症に罹患すると、体力や抵抗力が落ち、別の病気を併発して重篤な状態になる場合があります。とくに高齢の方や持病のある方は、そのリスクが高まります。感染症をきっかけとして身体機能などが低下してしまうと、大きく生活の質を落としてしまうことがありますので、予防接種を受けることお勧めします。

予防接種で使用するワクチンは、一度体に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体が、再び体内に入ってきた際、その病原体に対抗する「免疫システム」を利用したものです。

ワクチンの種類としては、主に以下のようなものがあります。

ワクチンの種類 作られ方 対応する主な感染症
生ワクチン 生きたウイルスや細菌の毒性を最大限弱め、病原体をそのまま使用したもの 風疹や麻疹
など
不活化ワクチン ウイルスや細菌を加熱処理、フェノール添加、ホルマリン処理、紫外線照射などで無害化したもの インフルエンザや肺炎球菌、百日咳、帯状疱疹(シングリックス®)
など
トキソイド 細菌の毒素だけを取り出してホルマリン処理を行い、無毒化したもの ジフテリアや破傷風
など
mRNA
(メッセンジャーRNA)ワクチン
ウイルスのタンパク質をつくるもとになる遺伝情報の一部をmRNAに乗せて投与するもの 新型コロナウイルス
など

予防接種は一人ひとりが感染症に罹患するリスクを低減することに加え、社会全体に感染症が蔓延することを防ぎ、地域や職域の皆様が健康的な生活を送ることに役立つものですので、予防接種しておくことをお勧めします。

インフルエンザワクチン

インフルエンザは、秋の終わりごろから春先にかけて流行することが多い、インフルエンザウイルスによる感染症です。咳やのどの痛み、悪寒など風邪とよく似た症状を現しますが、38度以上の発熱や、だるさ、関節痛、筋肉痛といった全身症状が出るのが特徴です。

通常1週間~10日で軽快しますが、高齢の方や基礎疾患のある方では、肺炎などを引き起こし、重症化する場合も多くみられます。また小さなお子様では痙攣が現れたり、中耳炎を引き起こしたりすることがあります。またまれにですが急性脳症を併発し、命に関わったり後遺症が残ったりする場合もあります。こうしたリスクを回避するためにも、インフルエンザの予防接種をお勧めします。

ワクチンは接種から予防効果を発揮するまで約2週間かかり、5ヶ月ほど効果が持続するとされています。そのため、その年の流行期が始まる前に接種するようにし、毎年接種することが大切です。なおインフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行する株を予測し、夏ごろまでにそのシーズン用のものが作られます。

高齢者のインフルエンザ予防接種に関しては、自治体による補助があります。
■参考 川崎市:高齢者を対象とした定期予防接種

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌は肺炎を引き起こす原因の第1位となっている細菌です。肺炎は日本人の死因で常に上位に位置している疾患です。肺炎球菌は、もともと人の鼻やのどの奥によく存在している身近な常在菌の一つですが、高齢などで免疫力が低下していると発症し、肺炎を引き起こします。

一度、肺炎を起こしてしまうと、さらに体力や免疫力が低下し、肺炎の重症化や、再発を繰り返し、肺の機能が低下して元に戻らなくなってしまいます。また髄膜炎や敗血症、中耳炎などの合併症を引き起こす場合もありますので、ワクチンで予防することが大切です。

肺炎球菌ワクチンは定期接種となっています。対象となるのは65歳の方および60歳から65歳未満の方で一定の条件を満たす方です。
当院は川崎市の高齢者の肺炎球菌感染症予防接種個別協力医療機関となっています。
■参考 川崎市:高齢者を対象とした定期予防接種

その他、当院で実施しているワクチンは以下の通りです。

種類 価格(税込) 備考
MRワクチン ¥11,000 麻疹・風疹
水痘ワクチン ¥8,800 水ぼうそう
麻疹ワクチン ¥6,600 はしか
風疹ワクチン ¥6,600 三日はしか
日本脳炎ワクチン ¥6,930
ムンプスワクチン ¥7,150 おたふく
肺炎球菌ワクチン ¥8,800
DTワクチン ¥4,730 ジフテリア・破傷風
帯状疱疹ワクチン
(シングリックス)
¥22,000 1回あたりの価格
2ヶ月以上あけて6ヶ月以内に2回目を接種
肝炎ワクチン(A型・B型) ¥6,600 1回あたりの価格
4週あけて2回目接種
1回目から20~24週後に3回目接種